ピアノ演奏時の姿勢について

猫背の子が多い?

ここ数年、ピアノのレッスン時にたびたび思うことがあります。
”猫背の子が多くなったなあ”

子供に限らず大人だって完璧な姿勢の人は少ないし、猫背の人だっています。
でも、最近の子供達に顕著に猫背の子が増えたように思うのは気のせいでもないと思います。
姿勢が悪いと健康に良くないのはもちろんですが、ピアノの演奏にも悪い影響を及ぼします。

レッスン中に、「はい、背中が丸まってるよ〜」と声をかけて、背筋が伸びるならまだいい方です。
筋金入りの猫背になってしまうと、演奏前に背中を伸ばしてはみたものの、1音弾いた瞬間にぐにゃっと猫背に逆戻り、なんて子もいます。

どの楽器もそうですが、演奏するときには体全体の骨や筋肉、神経などを連動させて使っています。
一番肝心な背骨が曲がってしまうことによって、ピアノだったら指先まで力が入らなかったり、思ったように動かせなかったり、もっとひどいと体に痛みが出てしまったりケガの原因にもなりかねません。
また、思い通りに体が動かせない、演奏ができない状態では、楽しくないし集中力も続きませんよね。

悪い姿勢の原因

猫背の子が多い原因は、やはり外遊びが減ってしまったこと、そしてゲームやスマホを見る時間が多かったり、塾などで机に向かっている時間も長くなってしまったことなどだと思います。
ゲームなどでずっと同じ姿勢を続けていると、体が硬くなって悪い姿勢が常態化してしまいます。

大人も、デスクに長時間向かっていたり運動習慣がないと、筋力は落ちるし姿勢だって悪くなります。
体が硬くて血流も悪くなるから、肩こりや体の不調も感じやすくなりますよね。

ではどうすればよいのでしょうか。

筋肉を鍛えましょう

良い姿勢を保つためには腰から首にかけての筋肉を使わなければなりません。
筋肉が弱く硬くなっていたり、変な癖がついていると、すぐに猫背に逆戻りしてしまいます。

子供のうちは無理に筋トレをするよりはしっかり体を動かして遊ぶという事が一番だと思います。
お外でいっぱい走り回ったり遊具で遊んだりと、全身を使うことによって筋肉が自然と鍛えられます。
そしてゲームなどはほどほどにして、同じ姿勢をずっと取り続ける事がないようにしましょう。

大人は、姿勢が癖になっている場合もあるので、軽い筋トレやストレッチ、ヨガなどで筋肉や骨の動きを整えましょう。
ひどい猫背の方は専門医や整体師さんに診てもらってくださいね。

要の骨盤

さて、もう一つとても大事な事があります。
こちらの方が本命かもしれません。
それは、骨盤です。

姿勢の悪い人にとても多いのですが、骨盤が傾いているのです。
特に多いのが骨盤が後ろに傾く人で、下腹が出て背中も腰も丸まり、肩甲骨も巻き気味になって首が前に突き出てしまいます。
こんな姿勢に心当たりはありませんか?
これ、腰を痛めたり、内臓を圧迫して血流も悪くなるので、体の不調の原因にもなったりするんです。
もちろんピアノ演奏にもいいはずがありませんよね。

仙骨を立てて、坐骨の尖ったところ(お尻の下の方に触れる骨)で座れるのが理想です。
ただし、この姿勢を保つのに筋力が必要になるため、やっぱりストレッチやトレーニングや外遊びが必要になるのです。

私もなるべく時間を見つけて筋トレしたり、寝る前はヨガをして体をリセットしたりしています。
ぐっすり眠れるし、翌日も体が軽くなり、演奏のパフォーマンスも全然上がりますよ。

ピアノを上達するためには、ピアノの練習だけではなく、普段から体のことに意識を向けることも大事ですね。

椅子の高さを調節

最後にもうひとつ
ピアノ演奏の際にはほとんどの場合椅子に座ると思います。
その椅子の高さ、体に合っていますか?

ピアノの場合は、浅く椅子に腰掛けて両足がしっかりと地面についている事がポイントです。

両手を鍵盤の演奏ポジションに置いた時、手首から肘が地面とほぼ水平を保てていること。
椅子が高すぎると自然に猫背になってしまうし、低すぎても腕が辛くなってしまうのです。

また、足が地面についていないと姿勢を保つのも難しいし、軽い浅い音しか出なくなってしまいます。
しっかり踏ん張れる事が肝心です。
足が届かない場合は足台などで調整しましょう。

ピアノ演奏時の姿勢・まとめ

ピアノ演奏に適した姿勢を保つには

 ・筋トレや外遊びなどで筋肉を適度に鍛える
 ・骨盤を立てて座る
 ・椅子の高さを調整して、浅く腰掛け、手首から腕は水平に保つ
 ・足はしっかり地面につく

これらのポイントを抑えて、楽しく無理なく演奏してください。
また、信頼できる先生に客観的にチェックしてもらうこともお忘れなく

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