楽器選び〜フルート編〜

教室に来られる生徒さんには、初心者の方もたくさんいらっしゃいます。
最初は楽器を持っていない方も多く、早く買わなくちゃとソワソワされてしまうのですが、まあまあ落ち着いて。
楽器は決して安い買い物ではないので、よく考えてじっくりと、納得のいくものを選びましょう。
今回は、初心者さん向けに、フルート選びのポイントをまとめてみました。

まず、一番大事な事なのですが、必ず先生か信頼のおける楽器屋さんに相談すること。
そして、できたらあなた自身が試奏して、自分に合った吹き心地であるのか、好きな音色が出ているのかを試してみてください。まだ自分では音がうまく出せない場合でも、先生や楽器屋さんに吹いてもらって音色を確かめるのもいいと思います。
フルートは音色を楽しむ楽器です。
各メーカー、モデルによって音色も吹き心地も異なります。
演奏者自身が満足する音色でなければ、長くフルートを楽しみ続けるのが難しくなってしまうかもしれません。
ぜひお気に入りの楽器を見つけて、愛情を持ってフルートを練習し、一緒に成長していってくださいね。

さて、ここからはフルート選びのポイントをいくつかご紹介しましょう。

◆素材&価格
フルートの素材はいくつかありますが、それによって価格も大きく変わってきます。
メーカーや細かな仕様によって、また金相場の変動でも価格が変わりますので、大まかに。(価格は2021年時点でのおおよそのものです。)
まず一番安いのが洋銀製や白銅製で、銅やニッケルなどの合金でできたものです。9万円前後から購入できます。気軽にフルートを始めたい方はこの辺りを選ぶ方が多いです。
次に来るのが、頭部管が銀で胴部管と足部管が洋銀製。15万〜30万円。吹奏楽などで活動する学生や、初心者の方にも人気があると思います。
菅体が銀で、キイなどのメカニズム部分が洋銀製のものが、20万〜50万円。こちらも学生や音色に拘りたい方に人気。
総銀製が100万円前後。本格的にフルートを楽しみたい方や、プロの演奏者も使用することが多いです。
金製になると9K、14K、18K、24Kと純度が上がるにつれ、200万〜1000万と高額になっていきます。
総プラチナ製もあり、お値段は約1000万。
素材によって音色にも個性が出るので、吹き比べると面白いかもしれません。

◆頭部管
実際に息を吹き込む穴(トーンホール)や唇を乗せるリッププレートは、各メーカーによって微妙にカットや形が異なります。その違いが音色の個性にもつながるので、楽器選びの際に拘りたいポイントでもあります。

◆リングキイ・カバードキイ
指を置くキイに穴が開いているのがリングキイで、フレンチスタイルとも言われます。音の抜けが良く明るい華やかな音色が出ます。音の振動を指先でも感じることができ、リングキイを使った特殊奏法もあります。ただし、穴が塞げないと正しい音が出ないので、初心者や持ち方のできていない人、指の細い人には最初は難しいかも。(シリコンキャップで穴を塞ぐ事もできますが推奨はしません。将来的には外してくださいね。)
カバードキイはジャーマンスタイルとも言い、キイに穴が開いていないものです。安定したしっかりとした音色で、初心者にも扱いやすいです。だからといって初心者用という訳ではなく、プロでも使っている方はいらっしゃいますよ。

◆インラインキイ・オフセットキイ
胴部管のキイが真っ直ぐ並んでいるのがインラインキイ。見た目がきれいですが、持ちにくさを感じる人もいると思います。
左手の薬指と小指のキイが少し出ているのがオフセットキイ。手の小さい方や初心者にも持ちやすい。構造上少し重めで、若干音色が暗く、音の立ち上がりが遅めに感じることもあるようです。

◆Eメカニズム
フルートは元々の構造上、高音のE(ミ)が出し難いのですが、これを出しやすくしたのがEメカ。ただし、楽器が少し重くなったり、一部のトリルキイが使えなくなってしまうデメリットもあります。基本的にはオプションですが、標準装備されてるモデルもあるようです。

◆H足部管
標準的なフルートの最低音はC(ド)ですが、H足部管にする事で1音低いH(シ)の音も出せるようになります。Hが出るだけでなく高音が安定したり、特殊奏法で使えたりといったメリットもあります。でも、長くなるので重くなるし、音が抜けにくく感じるといったデメリットも。オケでたくさん吹きたい方は持っていた方がいいかもしれないですね。オプションなので、お値段はプラスされます。

他にも、高音Fisが出やすくなるFisメカ、菅体が厚めのヘビー管、トーンホールやキイの下の部分がソルダード(ハンダ付け)かドローン(菅体から引き上げ)か、などなど、ほんとに細かいことまでまだまだ色々ありますが、初心者の方はこの辺まで理解していれば良いのではないかと思います。

日本はフルート大国で、世界に誇るラインナップを揃えたメーカーさんがたくさんあります。小さな工房でも、こだわりがたくさん詰まった素晴らしいフルートを作っています。
フルートは決して安いものではありませんが、大切に愛情を持って使えば長く使うことができますよ。
素敵なフルートと出会って末長くフルートを楽しむ方がたくさん増えてくれたら、私もとてもうれしいです。

最後に中古品について。
もし中古でフルートをお買いになりたい場合は、必ず専門の楽器屋さんからメンテナンス済みのものを購入しましょう。
ネットで個人の楽器を出品されている方もいらっしゃいますが、楽器の状態によっては音が出なかったり、修理代金で新品が買えてしまうようなケースもあるようです。
やはり楽器は、現物をチェックして納得して買うのが一番だと思います。

それでは、これからフルートを購入する方に良い出会いがあることを祈ってます。